医療法人社団 明芳会 横浜新都市脳神経外科病院

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DPC臨床指標

はじめに

DPC臨床指標とは、DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいて作成した指標のことで、病院の実態をあらわす診療実績とは異なるものです。DPC臨床指標の公開の目的は、市民の皆様に当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことです。こうしたデータをもとに当院では、さらなる医療の質向上に向け、質改善活動を行っております。

当院では指標の公開にあたり、医療機関ホームページガイドラインを遵守しております。

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 70 123 84 113 290 612 685 1299 1462 697
当院の一般病棟を退院された患者様の年齢階級別(10歳刻み)の患者数です。
年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定しています。
平均年齢70.83歳、年齢中央値75歳、年齢階級中央値70歳台となっており、70歳台、80歳台が最も多く、高齢化社会を反映しているといえます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 処置1あり 処置2なし 271 2.90 2.95 0.00 61.47
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 183 49.06 19.58 24.59 67.50
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 158 7.61 10.14 5.06 77.08
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0,1又は2 140 28.19 15.97 8.57 70.43
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 139 4.96 8.54 5.76 66.06
脳疾患の専門治療を目的に、脳疾患領域における専門医を中心に診療しています。
最も多い症例は未破裂脳動脈瘤に対するカテーテル検査で、手術が必要か見極めるだけでなく、術後の定期的なフォローアップにも力を入れています。
外傷性のくも膜下出血や硬膜下血腫、脳挫傷等の頭部外傷に対する手術の症例も増加傾向にあり、高齢者の転倒による受傷が多く、平均年齢も約77歳になっています。
脳梗塞や脳出血(非外傷性頭蓋内血種)は、ほとんどの症例が発症から3日以内に入院することが多く、必要に応じて手術を行なっています。軽症例から重症例まで、最先端の医療機器と豊富な診療実績のもと、24時間365日の救急医療体制を築いています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩,股等 808 30.19 26.42 15.59 84.87
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 187 2.68 4.86 0.53 55.49
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨,上腕,大腿等 105 3.83 14.17 1.90 69.46
160990xx97x0xx 多部位外傷 手術あり 処置2なし 84 23.92 16.93 17.86 74.24
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他等 60 9.30 18.34 5.00 51.20
大腿骨近位部骨折に対する手術の症例が最も多い結果になっています。
大腿骨近位部骨折は高齢者に非常に多い骨折で、寝たきりの原因となることも多く、術後のリハビリテーションが重要です。
一般病棟で急性期治療終了後、リハビリと並行してソーシャルワーカーと連携を取り、在宅復帰支援や介護施設、老健との地域連携に力を入れたり、回復期病棟においてリハビリテーションを重点的に行なったりと、総合的な治療管理を行なっています。
社会復帰のため早期の退院を希望される若い世代の患者さんが多い前腕や肩関節周辺の骨折に対する整復術では、全国平均より在院日数が短くなっており、患者さんの負担軽減に取り組んでいます。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 処置2なし 105 2.86 4.65 0.00 71.91
050050xx0200xx 狭心症,慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 処置等1_なし,1,2あり 処置2なし 103 2.98 4.26 0.00 75.34
050050xx9920x0 狭心症,慢性虚血性心疾患 手術なし 処置等1_2あり 処置2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 59 2.32 3.22 0.00 71.15
050050xx9910x0 狭心症,慢性虚血性心疾患 手術なし 処置等1_1あり 処置2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 39 2.31 3.04 0.00 74.26
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 28 21.64 17.54 7.14 87.86
心房細動等の頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療が最も多い症例となっています。平均在院日数が全国平均より下回っており、患者さんの負担軽減に力を入れています。
また、狭心症に対するカテーテル検査や治療も積極的に行なっています。
カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓の冠動脈や下肢動脈まで誘導、撮影し、冠動脈や下肢動脈の狭窄や閉塞部分に対してバルーンやステントを用いて治療します。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌
大腸癌
乳癌
肺癌
肝癌
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌について初発患者の病期分類による患者数、再発患者の患者数を示す指標です。
がんの診断、治療を行ったか、がんがどれくらい進行しているかを示すものです。
当院は、がんの専門治療を行なっておりませんので、5大癌すべてにおいて10件未満の集計結果になっており、数値を掲載していません。
地域がん診療拠点病院等と連携を取り、スムーズな紹介、転院に努めています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症
重症
超重症
不明
この指標は、入院のきっかけとなった病名および最も医療資源を投入した病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(誤嚥性肺炎、インフルエンザ肺炎、ウイルス性肺炎を除く)であって、市中肺炎(入院後発症の肺炎を除く)の患者さんが対象です。
当院へ入院して肺炎の治療を受けられる患者さんの大半が誤嚥性肺炎ですが、誤嚥性肺炎はこの指標の対象疾患には入っていません。
どの重症度においても件数が10件未満となっており、数値を掲載していません。
脳梗塞の患者数等
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 695 37.03 77.26 14.96
その他 141 36.93 76.89 15.60
医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者さんを対象として、発症から入院までの日数別に症例数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。
脳梗塞では大半の患者さんが発症から3日以内に治療を受けられています。
迅速な治療を行う事が退院後の日常生活の動作に大きく影響することから、当院では緊急に治療が必要なケースに対応できる医療体制の確保に力を入れています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 131 0.29 43.06 20.61 80.08
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 131 0.84 11.51 4.58 79.73
K1781 脳血管内手術(1箇所) 88 0.98 34.19 9.09 66.42
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 81 1.83 9.78 2.47 61.05
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 49 3.06 16.92 4.08 75.39
経皮的脳血栓回収術と外傷による慢性硬膜下血腫に対する血腫穿孔洗浄(ドレナージ術)が最も多く、平均年齢約80歳といずれも高齢者に多く施行している手術です。
経皮的脳血栓回収術は急性期脳梗塞に対して行う血管内治療で、発症後8時間以内の患者さんが対象となります。カテーテルを頭の中の脳血管へ進め、血管を詰まらせている血栓を溶解したり、回収したりして、閉塞した脳血管を再開通させます。
脳血管内手術は未破裂脳動脈瘤の症例や破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血症例に対して、カテーテルと呼ばれる医療用の極めて細い管を使用し、血管の内腔から治療する方法です。手術ではカテーテルの他に、薬剤やコイル、ステント等を用いて治療を行います。
同様の症例(未破裂脳動脈瘤、破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血)に対して脳動脈瘤頸部クリッピング術も行なっており、こちらは開頭手術であることと、くも膜下出血の場合は術後の管理を慎重に行なうことなどから、他の手術と比べて長い在院日数になっています。いずれの手術も患者さんの状態や症例によって適切な手術を選択しています。
経皮的頸動脈ステント留置術は内頚動脈狭窄症に対して、ステントを用いて治療を行います。
どの手術も術前日数が短いですが、経皮的血栓回収術は緊急手術ですので術前日数が特に短い傾向にあります。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕、大腿) 611 0.85 23.19 14.40 81.57
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 354 1.12 26.88 13.28 86.03
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 274 0.84 5.51 2.55 56.04
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 138 0.51 1.11 0.00 49.51
K0463 骨折観血的手術(鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く)、足、その他) 98 0.68 7.42 2.04 56.35
上位5位は全て骨折に対する手術になっています。
骨折観血的手術(上腕、大腿)、人工骨頭挿入術(肩、股)はいずれも平均年齢から高齢者に多い症例であることがわかります。
骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨)、骨折観血的手術(鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く)、足、その他)では、年代において有意差はなく、前腕の骨折においては平均術後日数が2.04日であり在院日数が特に短くなっています。
また、骨折観血的手術により骨が癒合した後の挿入物の除去術も在院日数が短く、短期間の入院の傾向にあります。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 98 0.33 1.87 0.00 72.12
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 70 0.91 2.60 0.00 76.76
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 20 0.30 2.00 0.00 74.25
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 19 0.00 9.74 5.26 74.58
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 17 2.35 7.12 0.00 81.12
この指標で最も多い手術症例は、心房細動の患者さんに対する経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)です。不整脈の代表的な治療方法であり、アブレーション治療用のカテーテルで不整脈を起こす原因となっている異常な電気興奮の発生箇所を焼き切る治療法です。平均術後日数が1.87日であり、在院日数が短く設定されています。
狭心症等に対して行う経皮的冠動脈ステント留置術(心臓カテーテル治療)は緊急で行うものもありますが、ほとんどが予定手術で行われ3日間のクリティカルパスで運用されています。ステントを使用しない経皮的冠動脈形成術も行なっており、患者さんに合った治療を適切に選択し治療にあたっています。
また、房室ブロック、同不全症候群、徐脈性心房細動等の心疾患のある患者さんに対してペースメーカー移植術や、電池消耗によるペースメーカー交換術も行なっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 46 0.81
異なる
医療の質向上を図る為、臨床上ゼロとはなりえないが、少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発生率を示したものです。
同一区分とは、入院の契機である疾患と入院中の主な治療目的の疾患が同一か否かということです。
手術・処置等の合併症以外は10件未満であるため、数値を掲載していません。
手術・処置等の合併症についても少しでも改善できるよう日々の治療を行なっています。

更新履歴

令和5年9月25日
令和4年度病院指標公開
令和4年9月25日
令和3年度病院指標公開
令和3年9月25日
令和2年度病院指標公開
令和2年9月25日
令和元年度病院指標公開
令和元年9月25日
平成30年度病院指標公開
平成30年9月25日
平成29年度病院指標公開
平成29年9月27日
平成28年度病院指標公開
平成28年9月26日
平成27年度病院指標公開