医療法人社団 明芳会 横浜新都市脳神経外科病院

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フローダイバーターステント治療

大型未破裂脳動脈瘤に対する最新治療

脳動脈瘤の大きさが10mmを超える大型脳動脈瘤は、コイル塞栓術を施行しても血液を十分に遮断することが難しく、根治が難しい、もしくは再治療が必要となることも多く、10mm以下の脳動脈瘤に比べ再発率も高いと言われていました。近年、この大型脳動脈瘤の最新治療法として注目されているのがフローダイバーターステント治療です。

脳動脈瘤のある正常血管に網目の細かい特殊構造のステントを留置するだけで、脳動脈瘤内に流入する血液量が減少して動脈瘤内の血液がうっ滞し、脳動脈瘤内が血栓化することで破裂を防ぐのです。なお、一般的に、直後から完全に血栓化するわけでなく、徐々に血栓化が進みます(半年内に約75%)。

フローダイバーターステント治療の画像

フローダイバーターシステムの適応

内頚動脈における大型(10mm以上)かつ正常血管との境界が広い(脳動脈瘤の入り口が4mm以上)の頭蓋内動脈瘤(破裂急性期を除く)と定義されています。しかし、治療法が確立されてからまだ日が浅いため、既存のコイル塞栓術やクリッピ ングと、このフローダイバーター治療、双方のメリットやデメリットを考慮し、安全な選択をする必要があります。

メリット・デメリット

I) メリット

  1. 従来、コイル塞栓術では、再発率が高く完全治療が困難であった大型脳動脈瘤の破裂を未然に防げる点です。
  2. 大型脳動脈瘤が出来る場所は視神経など多くの神経が集まっているのですが、コイル塞栓術で脳動脈瘤内にコイルを詰めることで周辺の神経圧迫を増悪させる可能性がありますが、フローダイバーター治療においては徐々に血栓化されたのちに、血液成分の水分が抜けてサイズが小さくなるため、そのリスクは低いと言えます。
  3. 動脈瘤内のうすい壁の近くでカテーテルやコイル操作をしなくていいので、術中破裂のリスクは低くなります。

II) デメリット

必ずしも血栓化するわけではないという点です。血栓化の確率は半年で約75%、1年で約85%と言われていますが、仮に血栓化しなかった場合には、脳動脈瘤の破裂のリスクがあるといえます。

治療可能な施設について

この治療法は普及して間もないため治療を施行出来る施設が限られており、全国で76施設、神奈川県で6施設のみです。(2021年8月現在)
なお、治療については高度な手技技術が求められるため、脳血管内治療の経験が豊富な医師が適切なトレーニングを受けて治療にあたる必要があります。

フローダイバーターステント治療 治療実績

フローダイバーターステント治療 治療実績

当院治療担当医師

院長(管理者) 森本 将史
院長
森本 将史
脳神経外科医師
外来担当日

毎週金曜日

学会・専門医等

医学博士
日本脳神経外科学会専門医・指導医・代議員
日本脳卒中学会専門医・指導医・評議員
日本脳卒中の外科学会認定指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医
身体障碍者認定指定医(肢体不自由)
日本神経救急学会 評議員

略歴

平成5年 京都大学医学部卒業
平成14年 京都大学大学院医学研究科修了
平成5年 京都大学医学部付属病院脳神経外科
平成6年 県立滋賀成人病センター脳神経外科
平成7年 国立循環器病センター脳神経外科
平成9年 倉敷中央病院脳神経外科
平成14年 Center for Transgene Technology and Gene Therapy(ベルギー)
平成15年 国立循環器病センター脳神経外科
平成17年 福井赤十字病院脳神経外科
平成18年 医療法人社団北原脳神経外科病院
平成22年 横浜新都市脳神経外科病院

先進医療推進機関AMPO

院長 森本将史が紹介されました。
脳血管内治療の詳しい説明をしています。

脳ドック受診希望の方へ

脳卒中の予防・早期発見に定期的な脳ドック受診をおすすめします。