医療法人社団 明芳会 横浜新都市脳神経外科病院

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もやもや病について

もやもや病とは

頭蓋内の主要脳血管が徐々に細くなることで、脳に十分な血液を送ることが出来なくなった結果、それを補填しようと、細い血管(もやもや血管)が形成されていきます。しかし、もやもや血管は、血管壁が脆弱でか細い毛細血管のように細い血管なので、血流不足を十分に補えなければ脳梗塞となりますし、逆に、もやもや血管の負担が大きくなり過ぎると血管が破裂して脳出血になります。つまり、同じ名前の病気なのに、時には脳出血、時には脳梗塞を起こす病態なのです。

右の画像を見比べると、正常な脳の脳血管造影画像は、血管がはっきり映っているのみ対し、もやもや病の画像は、細い血管が多く、もやもやと煙が立ち上っているような画像になっているのが分かります。

タイプ別症状と発症時期

もやもや病で無症状の患者さんも多くいます。そのため、たまたま受診してMR検査を施行した際や、脳ドックで見つかるケースも少なくありません。ただ、先述したように、脳出血や脳梗塞を起こし、それぞれの症状で出現する場合もあります。

Ⅰ) 虚血型もやもや病

内頚動脈の狭窄により形成されるもやもや血管はとても細いため、脳へ供給される血液量が不足することにより、手足のしびれや意識障害、麻痺、言語障害、けいれんなどの症状が出現します。大抵の場合は数分~数十分程度で症状が改善する、「一過性脳虚血発作」の場合がほとんどですが、稀に重篤化し、脳梗塞となる方もいます。
このタイプは、短時間で大きな呼吸を繰り返す「過呼吸」により誘発されることが多く、小児(5歳~10歳)での発症が多く認められています。理由としては、この時期にハーモニカなどの楽器を演奏したり、スポーツを行うようになるため、初めて症状が出現すると考えられています。

虚血型もやもや病

Ⅱ) 出血型もやもや病

とても細く・脆いもやもや血管が、血流を補うために太さ以上に拡張して血液を送ろうとすることで、血管が耐えられず破れてしまい「脳内出血」が起きるタイプです。
(稀に、血管に瘤ができ、瘤が破裂して、くも膜下出血が起こる場合もあります。)
これら出血型の症状の特徴は、激しい頭痛ですが、出血の部位によっては、麻痺や意識障害といった虚血型でみられる症状も出現する場合もあります。また出血型の発症時期は、40代前後に多く、成人の約半数がこの出血型と言われています。

検査について

  1. 1. MR検査にて、主要血管の閉塞と、もやもや血管の発達を確認します。
  2. 2. 次に、脳血管造影検査で詳細な血管の状態を調べます。
  3. 3. SPECT(スペクト:脳血流検査)により、主要血管の閉塞によってどれくらい脳血流が低下しているか?を評価します。
    ※青い部分が、血流低下が見られる部位です。

1. MR画像

MR画像

2. 脳血管造影画像

脳血管造影画像

3. SPECT画像

SPECT画像

治療について

脳血流低下が軽度の場合は、【内科的治療】が一般的です。もやもや病に根治薬はないため、(再)出血を予防するために血圧・脳圧を下げる薬や、脳梗塞を予防するために血液をサラサラにする薬などで、発症を予防します。
しかし脳血流低下が顕著な場合は、今後脳梗塞になるリスクや、脳血流低下を補おうとするもやもや血管の負担が大きくなって出血のリスクが高くなります。その場合、【外科的治療】が必要になります。

Ⅰ) 直接血行再建術(バイパス)

脳の表面の血管(中大脳動脈)と、頭皮の血管(浅側頭動脈)を直接つなぐ方法です。これにより、確実に血流を増加させることが出来ます。しかし、それぞれの血管は、1mm~1.5mmと細く顕微鏡を用いた手術のため、経験や高い技術を求められる手技と言えます。
また、いままで不足していた血流が一気に増加することによる脳出血や、皮膚の血管を使用することで血流不全が起こり、切開部分の感染や脱毛が起こるリスクもあります。

Ⅱ) 間接血行再建術

頭蓋骨を覆う筋肉や筋膜など、血流が多い組織を脳の表面におき、接着させます。そうすることで、数か月という時間をかけて、組織から根を生やすように脳へ新しい血管が自然にでき、血液が脳にいくようになります。主に、血管新生の力が強い小児に適応されます。

入院から退院までの流れ

通常、全身麻酔下で行う手術のため、入院は1週間~10日程度となります。
詳細につきましては、動画にて解説しておりますので、ご確認ください。

院長 森本将史が紹介されました。
脳血管内治療の詳しい説明をしています。

脳卒中の予防・早期発見に定期的な脳ドック受診をおすすめします。