脳卒中について
脳卒中
脳卒中とは、【脳梗塞】【脳出血】【くも膜下出血】を合わせた総称です。日本の脳卒中による死亡者数は年間13万人、死亡原因の第4位を占めています。また、発症すると永続的な後遺症が残存する可能性があり、寝たきりの原因では第1位です。
脳卒中を発症すると、いままで血液によって運ばれていた酸素や栄養が脳細胞に行き渡らなくなるため、発症した瞬間から時間が経つにつれて、脳細胞はどんどん死滅していきます。1度死滅した細胞が戻ることはなく、この死滅した範囲が大きいということは、脳のダメージが大きいということであり、後遺症が重くなるということです。つまり、【いかに早く治療を行い、死滅する細胞の範囲が広がらないようにするか】が大切なのです。

脳卒中の症状 ~FAST~
脳卒中でよく出現する症状は下記の通りです。
①運動・感覚・構音障害: 例)片麻痺/呂律が回らない/しびれ/手足の感覚がなくなる
②高次機能障害: 例)失語(言葉が出てこない、言葉を理解できない)/失認/異常行動など
③その他: 例)頭痛/吐気・嘔吐/意識障害/視野障害/
片麻痺 | 構音障害 | 失語 | 意識障害 | 頭痛 | 嘔気・嘔吐 | 症状の出現頻度 | |
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脳梗塞 | ◎ | 〇~◎ | ×~◎ | ×~◎ | × | × | ◎:20%以上 〇:10~20% △:7~10% ×:7%未満 |
脳出血 | ◎ | 〇 | △ | ◎ | △ | △ | |
くも膜下出血 | × | × | × | ◎ | ◎ | ◎ |
【病気が見えるVol.7 脳・神経】抜粋
くも膜下出血を発症すると「バットで殴られたような激しい頭痛」という特徴的な症状がありますが、基本的には脳のどの部分で梗塞および出血がおこるかによって症状が違います。全てを覚えるのは大変なので、いつもと様子がおかしいなと感じたら下記の【FAST(ファスト)】をチェックしましょう。

【脳卒中ガイドライン2015】【病気が見えるVol.7 脳・神経】抜粋