医療法人社団 明芳会 横浜新都市脳神経外科病院

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不整脈について

不整脈とは

不整脈とは、心臓が脈を打つリズムが正常ではない状態のことを言います。
心臓は、右房・左房や右心室・左心室がリズムよく小さくなったり大きくなったりすることで、全身へ血液を送り出しています。このリズムがずれると、心臓から全身に送りだされる血液の量が低下し、最悪の場合は死亡することもあります。

不整脈のリズム

不整脈について

不整脈の症状

不整脈の症状は様々ですが、心臓が強く鼓動したり、不規則に鼓動することで不快感を感じる「動悸」と呼ばれる症状が一般的です。また、心臓から送り出される血液量の低下により脳虚血を生じ、「めまい」や「失神」などの症状が現れることもあります。重篤なものでは、心不全や心臓突然死などがあります。しかし、まれに症状があらわれない「無症候性不整脈」もあり、個人差が大きいことが特徴です。また、不整脈の中でも特に心房部で異常が起こる「心房細動」で無症候の場合は、脳梗塞などを合併するケースが多く注意が必要です。

不整脈が起こる仕組み

心臓は、洞結節と呼ばれる司令塔が心臓のリズムをコントロールしています。洞結節から刺激伝導系へ指令を出し、刺激伝導系が心房筋・心室筋へ指令を広めることで、心房筋・心室筋が収縮して動きます。会社で例えると、洞結節が社長、刺激伝導系が中間管理職、心房筋・心室筋が現場社員です。
この洞結節、刺激伝導系、心房筋・心室筋のどこかがうまく機能しなくなると心臓のリズムが乱れて不整脈が発生します。

不整脈の原因

不整脈の検査

①ホルター心電図

24時間心電図を装着して心臓の動きを記録します。ホルター心電図では、不整脈の重症度や薬の治療効果の評価を行うことができます。

不整脈のホルター心電図

②リードレスホルター心電図

最大で2週間心電図を装着して心臓の動きを記録します。「リードレス」という名前の通りリードを使わず、皮膚に優しいテープで固定する心電図です。小型で重さが約25gと軽く、防水機能もあるため装着したままシャワーや入浴が可能です。

不整脈のリードレスホルター心電図

③植込み型心臓モニター(ICM)

最大で3年間胸の下に心電図を植込み、心臓の動きを記録します。心電図は約4.5㎝程度と小さく、USBのような形をしています。長期間の観察ができるため、不整脈が見つかりやすいことが特徴です。また、症状の有無に関係なく、記録したデータは自動的に病院へ伝えられます。

不整脈の植込み型モニター

不整脈の治療法

薬物療法

不整脈の治療は大きく2つにわけて考えます。脈のリズムが早くなる「頻脈性不整脈」と脈のリズムが遅くなる「徐脈整不整脈」です。患者様の不整脈がどのような状態かを考慮した上で、不整脈を“停止する”こと、“再発を予防する”ことを目的とし、薬を服用していきます。薬物療法では不十分な場合も多く、不整脈を“根治する”ことを目的とする場合は下記のような薬物療法以外の治療が必要です。

カテーテルアブレーション

カテーテルアブレーション治療とは、不整脈の原因となっている箇所を焼いて破壊する治療法です。薬物療法とは違い、不整脈の根治治療です。足の付け根からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、該当箇所まで到達したら、カテーテルの先端から高周波を加え、焼灼します。場合によっては冷凍させたりレーザーを用いる場合もあります。

不整脈のカテーテルアブレーション

ペースメーカー

ペースメーカー治療とは、洞結節に電気刺激を与え続け、心臓のリズムをコントロールする治療法です。めまい、失神などの症状を伴う徐脈性の不整脈に用いられます。従来のペースメーカーはMRI撮影ができませんでしたが、最近はMRI撮影対応可能な機器も出てきています。

不整脈のペースメーカー

植込み型除細動器 (ICD=Implantable Cardioverter Defibrillator)

植込み型除細動器治療とは、電気を流すことができる機械を身体の中に植込み、万が一不整脈が発生した際に電気ショックを与えて心臓の働きを正常に戻し、突然死を防ぎます。

当院で不整脈の治療を希望される方へ

当院では、不整脈を専門とする常勤医が1名在籍しております。お困りの際はお気軽にご相談ください。

カテーテルアブレーション症例登録プロジェクトについて

日本不整脈心電学会・国立循環器病研究センターによるプロジェクトです。全国の病院を対象にカテーテルアブレーション治療を受ける人の情報を集めて整理し、日本の不整脈治療の発展につなげていく研究です。詳細についてお知りになりたい方は下記のリンクをご確認ください。

心臓疾患の予防・早期発見に定期的な心臓ドックの受診ををおすすめします。